UFC on Versus 2

こんにちは。カワサキです。
皆さん御覧になりましたか?
五味選手のパンチ、あれヤバいですね。
あんなパンチ繰り出せる日本人選手って他にいないですよね。
相手のタイソン・グリフィンはMMA戦績17戦14勝3敗の強豪です。
しかも3敗とも全部判定までもつれ込んでます。
つまり、いままで1度もKO・1本負けがないってことです。
そんな選手に1RKOって、やっぱり何か持ってますよね。
それにしても、五味選手の変貌っぷり、何があったんですかね。
ビジュアルも佇まいも戦い方もまるで全盛期の頃に戻ったかのようです。
この試合だけで完全復活ってのはまだ気が早いと思うので、次戦が本当の勝負だと思います。
このままBJまで辿り着いて欲しいです。


そして岡見選手おめでとうございます。
ここは絶対負けられない試合だったと思うので、プレッシャーも凄かったと思います。
あと1,2試合勝てばタイトル挑戦出来るんじゃないでしょうか。
そして今回の試合で岡見選手が勝ったのには様々な理由が有ると思います。


その中のひとつを私だけが知っています。

この試合の10日位前の出来事。

前日の夜から仕事をしていた私は体力の限界を感じ、まだ日が沈み始める前に仕事を切り上げて店を後にした。
中野駅に向かい炎天下の早稲田通りを寝ぼけ眼をこすりながら歩いていると、前方から上腕二頭筋を異常に発達させた色男が自転車にまたがりスローなペースでこちらに向かってくる。
体格のいい男性を見るたびについつい頭をよぎってしまうマニアな私のイケない妄想。『PRIDE出ればよかったのに』,『DREAM出ればいいのに』 『総合格闘技やればいいのに・・・』 余計な御世話なのはわかってる。人それぞれの人生なんだから。
しかし体格に恵まれた有能な人材がもっともっとスポーツの世界に参入してくれば・・・そして何より他のメジャースポーツじゃなく格闘技の道を選んでくれれば・・・・
当然この時も私の妄想は止まらない。いや止められない。
徹夜明けで逆に神経が研ぎ澄まされてるのだろうか、その男性がかなり遠くに見えた時点で妄想は始まっていた。
『お、いい身体してんな~外国人か?ん?日本人っぽいな。あのチャリ普通サイズだよな?だとしたら推定身長185前後だな。あの骨格、あの筋量、あのバランス・・・ミドル級でいける。』
このうだる様な暑さのせいか、その男が近づくにつれて、いつもよりエッジをきかせた妄想が暴走し始めた。
『あんないい身体して、こんな昼間っからブラブラしやがって! 宝の持ち腐れとはこの事だな。 無駄な時間過ごしてないでさっさっと格闘技始めろ! お、近づいてきたらなかなかのイケメンじゃねーか。 おい、おい、おい、そんだけ顔も身体も恵まれてて格闘技やらない理由がどこにあるんだよ!! 一緒に道場探してやろうか? いや、こういう甘ちゃん野郎はいきなり海外だな。 アメリカの片田舎のマイナージムで1から修行して、UFCを目指して頑張れよ。 まぁ無理だろうけど。 だって出れる訳無いじゃん! どんだけ競争率高いと思ってんだよ!いいか? UFCって所はお前みたいな野郎が出れる場所じゃねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?岡見!?』


一瞬時が止まった。


今、私の横を通り過ぎて行った男はあの格闘メジャーリーグUFCで長きに渡り生き残ってきた男の中の男、いや、漢の中の漢、日本最後の砦、岡見勇信その人である。
『もうすぐ試合じゃないの?なぜここに?このまま真っ直ぐ行けばグラバカがあるけどかなりの距離だし。けどチャリなら行けない事も無いな。けどあれトレーニングする格好か?いや、そんなことより・・・・・・・・・握手してもらわなきゃ!!』
私は思わず踵を返し、ミーハー心丸出しで彼の背中を追った。
気持ちの悪い早歩きで。
しかし彼はチャリ。いくらスローペースとはいえあの脚力。
私では追いつけない。
人の筋肉には厳しく自分の贅肉には甘い私の緩みきった身体ではとてもじゃないが追いつけない。
彼の姿がどんどん小さくなっていく。
運動不足の私はすでに膝にきている。
半月板損傷を恐れた私はその場に足を止めた。
そして遠く離れた彼の後ろ姿に私は祈りを届けた。
まるで乙女のように。
『次の試合絶対勝ちますよ~に!!』

多分、これが勝因じゃないかな?

違いますかね?

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